74年目の夏がきました。と読んで「ああ、そうだね」と思う人よりも「何から数えて?」と思う人が多くなっているのかなーそう感じることが多くなってきました。
74年前戦争に負けた日本国民が、戦争に負けたことで手に入れた平和と民主主義、新憲法。その根幹の憲法第二章に定められた非戦の誓いは、いまの多くの日本国民にどう見えているのでしょうか。
先月の参議院選挙の争点だった「憲法を変える」ことに対して無関心な有権者が多かったように思います。
岡山では7月16日から26日まで核兵器廃絶を求める国民平和大行進が行われました。世界には今なお約1万4千発もの核弾頭があります。被爆国でありながら、核兵器禁止条約を批准すらできない、アメリカ言いなりの国―私たちの日本。
私たちは今なにをすべきなのでしょうか。
"NO MORE WAR"を再確認する夏にこそ、手にしてほしい本を紹介します。
黒い雨 井伏鱒二著
表題の「黒い雨」は、原爆投下後の広島に降り注いだ放射能を多量にに含んだ雨のこと。
主人公の姪ー矢須子の結婚と黒い雨に打たれたことに起因した原爆症の進行を縦軸に、原爆二次被害の怖さと偏見、戦争への怒りが淡々とした筆致ににじむ秀作です。
新潮社 昭和43年刊 第18刷 函 四六判ハードカバーサイズ
コンデション 函 経年変化のヤケ 本 カバー背などヤケ、小口と地に少シミがあります。
価格 1,000円 送料200円
戦記小説集 五味川純平著
映画「人間の条件」(と書いてももう知らない人も多いでしょうか?)の原作となった同名小説を書いた五味川純平が、1977年以降に発表した作品が集められています。生涯を通して戦争と人間の実相を追及し、反戦思想を貫いた著者の主張が良く分かります。それは大衆小説として強く人の心に訴えるものだと思います。
文藝春秋 1990年刊 四六判ハードカバーサイズ
コンディション 帯 カバー縁少イタミなどはありますが全体に良好
です。
価格 1,000円 送料200円
原爆記 小野山博子 著
広島で被爆した著者は、8月6日を「第二の誕生日」と書きます。それまでの漠然とした生き方が一変した日を「あの日」と形容することを余儀なくされたこと、その後に語り継ぐこと書き残すことで、自身の記憶の風化と闘おうと決心した心の変遷が、激高しない静謐な文体でつづられています。
岡山市の手帖舎より発刊はその当時著者は岡山に住んでいたためか。
手帖舎 1982年第2刷 四六ハードカバー版 ビニールカバー
コンディション 著者サイン 本の後半頁上肩に少々折れ癖のようなものがあります。
価格 1,800円 送料200円
戦争責任 家永三郎
戦争の惨禍の実態から核抑止論の欺瞞まで、先行する研究からの引用も含め核心をついた家永理論が展開されています。
核兵器を最初に使ったアメリカとそれを使われた被爆国である日本が核兵器の廃絶のためになすべき責任を明確にした本書は、アメリカ追従路線をひた走るわが国が、いまなお、世界の動きに逆らい核兵器禁止条約を批准できないでいる現状を、この本を書いていた30年以上前から見通していたかのようです。
岩波書店 1985年 四六判
コンディション カバーのない裸本です。天と小口にシミがあります。
価格 800円 送料200円